2011年12月15日

ガマズミの染色

ガマズミの染色


古い染色の資料を見ていたら、「ズミ」という染料名が見つかった。それで、調べていたら、「ガマズミ」に遭遇した。「ズミ」と「ガマズミ」はたぶん異なる樹木だろうが、取り急ぎ、「ガマズミ」で染めてみることにした。というのは、近くの林の縁で、ガマズミの紅葉が始まっているのを通りがかりに見たばかりだったからである。
ガマズミは、初秋、小さな赤い宝石のような実を付ける。そのつややかな実を、子供の頃、山道を歩いて帰りながら、摘み取って食べた記憶がある。酸味の強いその実が、じつは疲労回復に効用があり、東北地方では、昔、マタギが用いたという伝承がある。山の子たちは、きわめて自然にそのことを知っていたのだろう。
「ガマズミ」の語源には諸説あるが、その幹または枝が固く柔軟性があることから鎌の柄や玄能の柄に用いられ、その実の酸っぱいことから「鎌柄―酸い実」が縮まったとする説が有力だろう。実際、東北地方ではこのガマズミのことを「ジョミ」「ゾミ」などと呼ぶらしいから、整合性がある。「染め―スミ」説は、一般的かつ具体的な染色の記録が見つからず、説得力を欠く。
この酸っぱい実を、ホワイトリカーに浸けこむと果実酒ができるし、ジュースにしても美味いらしい。


□採集してきたガマズミの葉を細かく千切り、水洗いして約30分煮沸。
□黄褐色の煎液が得られた。


□煎液を濾して布を浸す。10分ほどで薄い黄色に染まった。
□その状態で約15分煮沸し、媒染剤(銅)を入れた水に浸して染める。


□やわらかな色調の柿茶に染まった。少し時期遅れかもしれないと心配したが、思いがけない発色である。


古名の「薄柿」または「洒落柿」に近い色。「洒落柿」とは下染めを梅で染め、その上に石灰を水で溶いて浸けておくと、梅の上色の赤味が抜けて熟した柿の実のような色になることから名付けられたという。シルクのマフラーは、柿の実の色というより、湯上りの若い女性の肌の色を連想させた。
       


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