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Posted by みやchan運営事務局 at

2010年01月31日

きみ

なんでもないと言う
言葉に隠してる
小さな不安の芽
どうして育ってしまうのだろう

その
君の背中が信じられなくて
普通に触れていいのかどうか
悩んで迷ったなんて

薄汚れた僕のこの手は
君のシャツを汚すだろう
それでも君はきっと笑顔で
ぼくを許してしまうことを
知ってるのに


君への気持ち
何かに似てる気がした
それを探したけど
解らなくなって苦しくなる

ただ
あるがままでいいと言われたとき
何故だかとても不安になって
足場がゆらいでしまった

包みこむ大きな
その優しさの裏を探ったんだ
何か大きな闇が隠されてるって
自分勝手な逃げ道を作った


くだらない弱さで
何度 君を傷付けたのか
ああ
その笑顔に甘えていた


いつか君を支えられますように
心から願うよ
もっともっと強くなるから
どうか笑顔の下に涙かくさないで  


Posted by 友愛社 at 11:27Comments(0)あるちゅ

2010年01月31日

ひとつだけ

雨が上がった後の匂い
ぬるい空気の流れの先に君が立ってた
ひどく濡れた髪で隠れて
どんな表情か今の僕にはわからなかった
どんな瞳をして僕を見てるの?

このてのひら いくつ
守りきれるもの あるかな
その答えが見つけられないんだ
たったひとつも選べず
いつか来る最後には
全てをこの指からこぼしてしまうんだ


強い風が払いのけてく
重い雲から射した光が影をつなげる
空に輝く青い月は
とても遠くから僕らのことただ照らしてた
他人事だと見下ろしながら

このてのひら いくつ
守りきれるもの あるかな
その答えが見つけられないんだ

ねぇ 意味のない事だって
十分わかってるから
だからもう僕を理解しようとしないで

噛み合わない 日々に
つまらない理想掲げて
何も見ない振りしてきたんだ

たったひとつも選べず
いつか来る最後には
全てがこの指からこぼれていくんだ


いつでもそうさ
迷って泣いて諦めながら進んで
結局僕は君にこの手を伸ばすんだ

  


Posted by 友愛社 at 11:16Comments(0)あるちゅ

2010年01月30日

今日の出来事  もーちゃん編

「モーちゃんのフォト日記」を連載中のモーちゃん
今日は、少し落ち込み気味でした。

機織りがうまくいかん!大泣き
縦糸が「プツン、プツン」と切れてしまうのです。

う~!う~!う~!フンッ

「もう!わたし、(機織り)せんからね!」

作業指導員もどう接していいのか判らず困り顔。

そこで、館長の橋口さんとなりさん、相談して作業指導員に
「(本人が落ち着いて機織りにもどれるまで)待ってみましょう」
と声をかけ、ちょうどモーちゃんが役所に必要書類の手続きに
行く用事があったので、なりさんの役所行きにモーちゃんも同行してもらい、
気分を切り替えてもらうため、一旦芸術館を離れてみることにしました。

行き先はモーちゃんの町の社会福祉協議会
そこには、長年モーちゃんのことを心配し、何かと手助けしてくれた
職員さんがいます。

久しぶりに会った職員さん、モーちゃんの訪問にとても喜んでくれました。
モーちゃんもうれしそう。
必要書類を受け取って変える際、職員さんがモーちゃんにこう言いました。
職員さん:「モーちゃん、実は僕は今日でここを辞めることにしたんだ。長い間ありがとうね。」

モーちゃん:「え~!そうなの。(うつむき)知ってたら花束もってきたのに」
なりさん:「じゃあ、芸術館の庭の花、摘んで花束つくろう。そしてお礼に職員さんに
      あげようよ」
モーちゃん:「いいね!そうしよう」
職員さん:「え~ニコニコいいの?ありがとう。」
モーちゃん:「職員さん、今日何時まで(いるの)?」
職員さん:「4時にはあがるよ」
なりさん:「じゃあ、またそのときに伺います。」

それから、なりさんとモーちゃん、大急ぎで芸術館に戻り庭に咲いていた
水仙の花をたくさん摘んで花束にしました。それからモーちゃんはお礼の手紙を
得意の似顔絵付で書いてくれました。

昼ごはんの後、モーちゃん自ら機にすわりゆっくり織り始めました。
そしたら、他の利用者さんたちが集まってきて、「お~!モーちゃんやっちょんね!」
みんな、心配してくれていたんですね。なりさんうれしかった。

やり始めてから、30分して「糸が切れた~!」「う~う~う~!」
さて、どうなるか・・・。なりさん、橋口さん職員室から見てました。

すると、またみんな集まってきて「どした?糸が切れたつや?せんせい~」
作業指導員を呼んでくれます。
糸をつなぎなおして、再挑戦。今度は大丈夫みたい。
なにより、モーちゃんが集中しています。

「もーせんからね!」なんていいながら、やっぱりやりとげたいのよね。
みんなから見守られていることが判ったから 安心したみたいです。

ある程度織り終わったところで、花束と手紙を持って再度社会福祉協議会へ

4時を少し過ぎていましたが 職員さん、帰らずに待っていてくれました。
「はいこれ!」モーちゃんが照れくさそうに花束と手紙を渡してくれました。

職員さん、ほんとにうれしそうに受け取ってくれました。
「ありがとう、モーちゃん」そういって少し涙ぐんでいたように見えます。

モーちゃん、そのままドアを開けて廊下に出て行きました。
彼女なりの気の利かせ方だったように思えました。

帰り道、モーちゃんがつぶやきました。
「職員さんこれからどうするんだろうね?」

「あたしもどうするんだろうね・・・・。」

「でも、(芸術館に)通ってるんだろうね。」

「まあ・・・やるか」

なりさん:「そうか・・・・」  「ぼちぼちな」

こんな、感じの今日の出来事でした。  


Posted by 友愛社 at 01:16Comments(3)なりさん

2010年01月28日

自然布ワークショップのお知らせ 「楮布」を織る

◆自然布ワークショップ
   「楮布(こうぞふ)」を織る


    

山野に自生する「楮(コウゾ)を採集し、繊維を採り、糸にして、

古代の布「楮布」を織り上げます。

楮の繊維で織られた布は、古来、「木綿(ユフ)」「太布(タフ)」などと呼ばれ、

衣類や神が降臨する御幣などに用いられました。

茶臼原の台地に点在する楮の群生地で採集し、茶臼原自然芸術館の広場に作った

かまどで、蒸す工程から繊維の採集、織りまでを連続して行います。

楮を採集することは、自生地を保護・整備し、素材としての楮を育てながら、

里山の森を作ってゆく作業でもあります。

ご参加をお待ちしています。


□ 期間 2010年2月8日~10日

□ 工程 この3日間で楮の採集から蒸し、繊維の取り出しまでを行います。*楮の繊維を使っての「織り」は別の日程で行います。

□この企画は、茶臼原自然芸術館の障害をお持ちの通所者の皆さんと共同で行います。

楮による自然布の素材採集から織りまでの全工程を学ぶワークショップです。

□受講料 6000円 (楮の採集から織りまでのご参加。織りの日程は打ち合わせの上決定します。)

        *

参加ご希望の方は茶臼原自然芸術館TEL0983-32-4607担当/横田・江原までお申込み下さい。




  


      


Posted by 友愛社 at 11:14Comments(0)自然芸術館

2010年01月27日

人参ジャムをつくったよ

[モーちゃんのフォト日記18  人参ジャムをつくったよ

「じゅうじ農園」でとれたニンジンを使って、指導員の橋口先生と一緒に、人参ジャムを作りました。農園では、土づくりから始めて、有機栽培で心をこめて育てたのです。
まず、ニンジンをまっすぐたてに半分に切ります。それを、鍋に入れて、水をニンジンがひたひたに浸かるぐらい入れて、やわらかくなるまで煮ます。つぎに、そのやわらかくなったニンジンをミキサーに入れ、煮汁を半分ぐらい入れて、ミキサーをかけます。この時、一人がミキサーを支え、一人がお箸でかき混ぜます。とろりとなったニンジンを鍋に入れ、煮ます。このとき、キビ砂糖とレモンを加えます。ここから弱火でとろとろと30分ぐらい煮込んで、出来上がり。
味見をしてみると、甘みと酸味とニンジンの味とが混ざり合って、美味しかったです。
出来上がりを、パックに詰めて、友愛社の運営する六つの保育園の調理担当の人に試食してもらうため、届けました。みなさんの試食後の御意見が楽しみで、でも少し心配で、どきどきしています。
  


Posted by 友愛社 at 10:29Comments(1)モーちゃん

2010年01月26日

神楽の場で貰った猪肉を食べた

[がんじいのジビエ手帖10 神楽の場で貰った猪肉を食べた]
 昨年の暮れ、西米良村・村所神楽の最終演目「シシトギリ」の場面の途中で、村の人から頂戴した猪肉。これこそ、山の神様からの授かりものであるから、敬い、謹んで喰わねばならぬ。
 料理法は、オーソドックスな狩人料理ともいうべき「味噌煮込み」であろう。

             

 がんじいがまだ子供の頃、隣村に「銀さん」と呼ばれる腕利きの猟師がおった。銀さんは、「ホシ」と「ヤマ」という二匹の猟犬を連れ、旧式の単発銃を担いで、一人で山に入った。ホシは黒毛に白い斑点のある剽悍な犬で、ヤマは茶褐色の剛直な犬であった。このホシが巧妙に猪を追い立て、ヤマが、攻撃を仕掛けては引き、引いてはまた仕掛けるという技を繰り出して、獲物を追いつめてゆく。そこへ、犬とほとんど変わらぬ速度で山を走って駆けつけた銀さんが、ズドン、と一発、仕留めるのである。この狩猟法で、銀さんは、ひと冬に20頭から30頭の猪を獲った。犬を10匹以上も動員した数人の狩人集団が一シーズンに狩る猪はせいぜい5頭から10頭であるから、銀さんが猪獲り名人の名をほしいままににしたのは当然のことであった。銀さんは、山に入る前には山の神に祈り、獲物が獲れると山の神に捧げては、また祈った。敬虔な銀さんの信仰が、また山の神の恵みをもたらすのであった。

 以下は銀さん仕込みの猪料理。
 まず、酒を多めに入れた水を沸騰させ、沸騰直前にぶつ切りの猪肉を入れる。煮たってくると、大量の蒸気とアルコール分とが蒸発する。これにより獣特有の強い臭いが消えるのである。その肉を一度水で丹念に洗って(ここが銀さん直伝の秘訣じゃ)、アクの混じった煮汁は捨てる。そして新たに水と肉をたっぷり入れて、あとは普通の煮込み料理と同じく、とろ火で煮込んでゆく。この時点でぶつ切りにした大根を入れ、牛蒡、人参、蒟蒻と味噌(やや少なめに)を加える。すりおろしの生姜を臭い消しに入れ、真っ赤な唐辛子を二本ほど刻み込んでおくことも忘れずに。ここから一時間ほど煮込んで、仕上げの味噌を入れて出来上がり。この最後に入れる味噌は煮たてないこと。味噌の香りが、新鮮な野菜の甘み、猪肉の味などと混交し、濃厚な狩人料理の完成。好みにより、火を止める直前に豆腐や葱、青菜などを入れてもよろしい。
 さて、ビールで乾杯。続けて地元の芋焼酎を杯に満たし、さらに一杯。 

           

 ところで、がんじいしは、「じゅうじ農園」採れの大根はもちろん、人参を大量に使う。独特の甘みと柔らかさが料理全体を引き立てるからである。この甘みは、化学肥料を使わず、良い肥料を使って育てたこと、寒さが加わってきたことなどによるものらしい。土づくりは有機栽培の畑としては、まだまだ初期の段階だというが、このことは特筆しておいてもよい。
 ここで思い出したが、大根干し「イカンテ」と猪肉を合わせ料理になかなかたどり着かぬ。次回以降をお楽しみに。

  


Posted by 友愛社 at 11:10Comments(0)がんじい

2010年01月25日

今日は営業でした。

みなさん、きょうはいかがでしたか。

なりさんは朝から県北地区への営業に行ってまいりました。
「営業」といっても、今日は事業内容の御案内に
精神科の病院様や福祉事業者様への訪問です。

茶臼原自然芸術館、天命館(GH,CH:女性専用)の事業内容を
御紹介させていただいたり、通院もしくは利用されている方々で
当事業所に見学なんか行きたいな~って方がいらっしゃたら御紹介
下さいとお願いに上がりました。



まずは活動していることを皆さんに知っていただくのが大事。
このブログもそういう趣旨のもとやっております。ニコニコ

でも、たまに関係ない話も書きますけどね・・・。ウトウト
ボヤキとか





  


Posted by 友愛社 at 19:17Comments(3)なりさん

2010年01月24日

多数の御参加ありがとうございます。

昨日、以前告知させていただきました、講演会:「石井十次の理念を地域づくりに生かそう」
が石井記念文化ホール(宮崎市こひつじ保育園2F)にて開催されました。

私達、茶臼原自然芸術館もなりさん、橋口2名が参加させていただき、
事業の説明、染め織り作品の展示販売をさせていただきました。


開場前、ホール入り口で染織作品を何度も見ていただき、お買い上げいただきました。
ありがとうございます。

講演会では当法人理事長 児嶋草次郎が石井十次がなぜあれほどの子どもたちを
救済出来得たのかについて、当時の社会情勢を織りこみながら講演いたしました。
そして現代に生きる我々がそこから何を学び、いかに行動していくべきなのかを
共に考え実行していこうと、御来場の皆様に投げかけをいたしました。


講演会終了後は交流会で参加者の皆様と、様々な事を語り合いました。
同じみやchan内で「牛子の挑戦」というブログをされている「だしさん」や
このゆうあいブログを見て今回御参加戴きました、「みよりん」さん
ホントにありがとうございました。
また たくさん語り合いましょう。茶臼原にも遊びに来てくださいね。
アッ!それから以前茶臼原に遊びに来てくれた、「菜の花」さんまた会えて
うれしかったです。ひつじの毛刈りの時期になったらまたお知らせしますね~。

みなさん またお会いしましょう。


  


Posted by 友愛社 at 17:38Comments(4)なりさん

2010年01月22日

石井十次の本2 「愛の心を今に」

[愛の心を今に ―生き続ける石井十次遺訓―]
宮崎日日新聞社(1994年12月初版)

        

日本の社会福祉事業の先駆者で「孤児の父」と呼ばれた石井十次。
岡山、宮崎などに孤児院を開き、延べ3000人の孤児を救済。
岡山の大原美術館の創始者で倉敷紡績社長の大原孫三郎らの
途方もない援助を受けながら奇跡の事業を成就させた。
その足跡を通して児童福祉の在り方などを問う。(表紙帯の文より)
            *
本書は、平成6年(1994年)から半年にわたり、宮崎日日新聞に連載された企画「愛の心を今に 生き続ける石井十次遺訓」が編集され、一冊にまとめられたものです。
この年は、石井十次没後八十年、岡山孤児院から宮崎・茶臼原に移住・開拓を開始してから百年にあたり、「国際家族年」でもあったことから、地元紙である宮崎日日新聞社が熱意と機動力をもって企画・取材に取り組んだものです。
取材陣は、茶臼原の日常から書き起こし、岡山、大阪、群馬、東京、北海道さらにはブラジルまで十次の足跡を求めて飛び回り、筆をふるいました。
当時は、「飽食の時代」といわれ、生活は豊かになり、繁栄を謳歌しているかにみえましたが、一方で、親が子を殺し、子が親を殺傷するなどの事件が各地で頻発し、学校現場でのいじめや、子どもへの虐待などが後を絶たず、家庭崩壊や相手の心の痛みをなんとも思わない風潮などが指摘されていました。
そんな折、記者さんたちは、四十九年の生涯を大飢饉や戦争などによる貧児や孤児の救済、教育に情熱を捧げ、偉大なる「無私の奉仕者」徹した石井十次のスケールの大きさ、その業績や時代の中で果たした役割、その後に引き継がれてきた友愛社の歴史などに
感銘を受けたのです。そして、そのような偉人が時の彼方に封じ込められ、忘れ去られようとしている現実に驚き、危機感を持って情報収集と発信にあたりました。
この本は、石井十次と友愛社の歴史を掘り下げるとともに、当時の生き生きと展開される「石井記念友愛社」の日常を記録した貴重な一書となっています。(同書の後書き参照) 
  


Posted by 友愛社 at 15:06Comments(0)自然芸術館

2010年01月21日

石井十次の本1 まんが「石井十次物語」

「友愛社ホームページじゅうじの森」の「石井十次の本」のページを書きすすめています。
掲載順に石井十次関連の書籍を紹介します。


児童福祉の先覚者


まんが
石井十次物語

漫画/南一平

岡山「石井十次顕彰会」設立準備会

2008年5月発行

980円(税込)

        



この本は、山陽新聞社の協力により、岡山「石井十次顕彰会」設立準備会によって編集・発行されました。岡山県知事(当時)の石井正弘氏が、「発刊に寄せて」という文の中で、次のように述べています。
『この物語の主人公の石井十次は、親のない子どもたちに心を痛め、医学の道を断念し児童福祉の道へと進み、岡山に孤児院」を創設しました。それが日本で最初の孤児院です。また、自ら小学校もつくり、子どもたちそれぞれに合った能力も身に付けさせました。「指導福祉の父」とも呼ばれる社会事業家であったと同時に、先進的な教育者でもあったのです。十次は人々が日々の暮らしにあえいでいた時代に、「孤児のために命を捨てて働かん」と誓い、次々に襲いくる困難と波乱万丈の生涯を乗り越え、数々の偉業を残しました。(以下略)』
このまんが「石井十次物語」では、その石井十次の生誕から少年時代を経て、青年時代に岡山で孤児救済を決意するまで、そして、宮崎・茶臼原へと移転し、福祉と教育と農業の理想郷を築こうと奮闘する時代、そして早すぎるその死から現代の「石井記念友愛社」へと引き継がれてゆく感動の物語が、南一平氏の美しい絵で描かれてゆきます。

石井十次と友愛社のことを手軽に知る資料としても、少年期の教育書としても一級の書物といえる作品です。

 

本文より「縄の帯」  


Posted by 友愛社 at 14:07Comments(4)自然芸術館

2010年01月20日

山の神様に戴いた猪肉

[がんじいのジビエ手帖9 山の神様に戴いた猪肉]
 がんじいは、冬の間中、神楽に通っておる。
 11月の最終土曜から始まって、2月の第一日曜までが高千穂・椎葉・米良等の九州脊梁山地の夜神楽。2月から4月へかけては、宮崎平野・日南海岸沿いに分布する昼神楽。とくに、夜神楽は、一晩じゅう、寒空の下で見続けることになるので、体力・気力を必要とする。「がんじい=がんばるじじい」の面目をいかんなく発揮する場面なのじゃ。



 西米良村・村所神楽では、夜を徹して舞い続けられた神楽三十三番が終わった後、「シシトギリ」という演目がある。黒い仮面を着け、狩人に扮した演者が、山の神のお祓いを受けた後、古式の猪狩りの様子を再現するのである。
その「シシトギリ=狩法神事」の中に、七切れに切って串に刺した猪の肉(それに模した七切れの大根)を山の神に捧げる場面があるが、演技の最中に、狩人が山刀ではじき飛ばした大根のひと切れが、足もとまで飛んできて転がった。それで、その大根を思わず拾って、同じく傍に落ちていた御幣の切れ端に包んで「これを喰えば御利益があるかも・・・」とばかりにポケットに入れた。すると、それから五分も経たないうちに、本物の猪肉が手元に届いたので大層驚いたものじゃ。
 これには伏線がある。
 前夜、神楽が始まったばかりの時間帯に、旧知の村の女性から「色紙を書いて・・・」とリクエストがあった。が、神楽は佳境に入ったばかりだし、その夜は東京方面から多数の客を案内しており、その世話にも気を使ったりして、色紙は手つかずのまま、御神屋の筵の上に置かれ、折から降り始めた雪に濡れておった。そうしてようやく色紙を手にしたのは、明け方の「岩戸開き」が始まる頃であった。
 かじかむ手に息を吹きかけながら、豪快な手力男命の舞を仕上げ、人づてにその女性に届けたが、色紙は、朝までに女性の家に届いたらしく、早速、その礼にと、「シシトギリ」の場に猪肉が届けられたのじゃった。
 まるで、山の神からたちまち獲物を授かった図であった。
 その猪肉をじゅうじ農園の大根干し「イカンテ」と一緒に煮て喰った話は次号に。

   


Posted by 友愛社 at 15:16Comments(0)がんじい

2010年01月18日

講演会のお知らせです!


「講演会:石井十次の理念を地域づくりに生かそう」

講師:石井記念友愛社 理事長 児嶋草次郎

日時:平成22年1月23日(土) 講演会 18:00~19:00
               交流会 19:00~20:30(交流会費:おひとり¥1500-)

会場:石井記念文化ホール(宮崎市こひつじ保育園2F)
   宮崎市広島1-7-18 TEL0985-23-2541


今回の講演会は「石井十次の理念を地域づくりに生かそう」をテーマに
十次の会(石井記念友愛社の後援会)の会員の皆様と語り合いたいと
考えております。
もちろん一般の方々の参加も可能です。どうぞお友達やご家族お誘い合わせ
でご参加ください。
会場定員は約150名程です。

講演会後の交流会に参加を希望される場合は、こひつじ保育園(TEL0985-25-0739)まで
お問い合わせくださいますようお願いいたします。

「地域のつながり」が見直される今、先人の知恵と業績に触れ、未来を考える良い機会に
なると思います。ぜひご参加ください。         
お待ちしております。  


Posted by 友愛社 at 19:02Comments(2)なりさん

2010年01月16日

木城町 「ボランティアまつり」出店いたしました。

本日、急きょではありましたが、
「第5回 木城町ボランティアまつり」に出店・参加させて
いただきました。

このイベントは木城町内で活動する各種のボランティア団体
で構成する「木城町ボランティア連絡協議会」が主催し
毎年開催されています。

今回の出店は「町内にできた新しい障害福祉サービス事業所を広く
町民の方々へ紹介したい。」という関係者の皆様の温かい御配慮で
参加させていただいています。

残念ながら写真は撮れませんでしたが、昨年1年間の事業内容や写真
新聞に掲載された芸術館の記事、そして染色、機織りの製品販売、
お野菜の販売もさせていただきました。

町民の皆様も「話に聞いちょったけど、どんげなとこかは知らんかった。」
「へ~こんなこつしちょったっちゃね~」と関心をもっていただいた方もいらっしゃい
ました。

地元の方々に利用していただき、地域のつながりの一つに加えていただければ
ありがたいです。

売り上げもまずまずでした。ご覧頂いたみなさま誠にありがとうございました。
また来年もよろしくお願いいたします。  


Posted by 友愛社 at 16:01Comments(0)なりさん

2010年01月16日

日曜日の畑 「祈りの丘空想ギャラリー」の展示から

            
          [宮迫千鶴「日曜日の畑」(F6号パステル)]
        
 宮迫千鶴氏は、広島県呉市出身。1984年エッセイ集『超少女へ』で注目され、上野千鶴子との対談を刊行、絵のほかに多くの女性論などのエッセイを刊行し、女性論をリードしました。
 オカルト、スピリチュアルへの関心が一貫し、自然と人間の関わりについても考察を続けましたが、2008年6月19日、リンパ腫のため死去。惜しまれて天上世界へと旅立ちました。
 夫は画家で美術評論家の谷川晃一氏。東京から伊豆高原に転居し、谷川氏とともに「伊豆高原アートフェスティバル」を開催、「中央から地方へ」と移行するアートシーンのさきがけ的企画を展開しました。
 伊豆高原のアトリエでは、パステルやコラージュを多用した日常風景・心象風景を描き、多くのファンを獲得しました。この「日曜日の畑」も宮迫さんの穏やかで暖かな心象がよく描きだされています。そして、「祈りの丘空想ギャラリー」の西方に広がる茶臼原の農地、さらにその向こうに霞む米良山脈・九州脊梁山地の山並みの夕焼けなどもまた、この絵と響き合っているかにみえるのです。

           


Posted by 友愛社 at 09:38Comments(0)自然芸術館

2010年01月15日

教会のある風景

市村氏は、岩手県出身の画家で、たびたびスペインを訪れて、長期間滞在し、田舎の美しい村を描き続けた画家ですが、数年前にお亡くなりになったらしい。
カビレイラ村という白と青を基調とした村では、なかり長い期間その村に住み続けながら描いていたといいます。氏の絵にほれ込んだ現地のコレクターや、通りがかりに出会った日本人の旅行者との交流などが断片的に記録されていますが、今のところ、市村氏に関する情報は乏しい。ただ、市村氏の絵が、宮崎の地の、遠くに米良の山脈を望む古い教会を改装したギャラリーに違和感なく収まっているのはうれしいことです。

 

   


Posted by 友愛社 at 13:21Comments(0)自然芸術館

2010年01月15日

マリーゴールドで絹糸を染めた

茶臼原自然芸術館で、マリーゴールドの染色をしました。友愛社の園庭を彩っていたマリーゴールドの花びらを11月に採集し、冷凍保存しておいたものです。
まず、容器に水と花びらを入れ、沸騰させます。濃い煮汁が出てきたら、布で濾し、染液を得ます。ここで水に浸けておいた絹糸を染液に浸し、媒染剤を入れます。これを何度も繰り返して染めます。鉄媒染で深いオリーブ色、アルミ媒染で輝くばかりの黄色が染まります。
今回の染色は男性の通所者と一緒に行いました。その感想を紹介します。

          

・マリーゴールドは明るい色でオレンジみたいでした。これを何回も染めていく。どんな色になるかうれしいですね。
・最期の染めものが鉄とマリーゴールドの色でモスグリーンの色で、とてもきれいでした。またきれいな色を染めたいと思います。たのしかったです。

          

染めあがった糸は「じゅうじ染め」と名付けられています。これで、紬が織り上がれば「じゅうじ紬」となります。織り上がりが楽しみですね。
            


Posted by 友愛社 at 10:24Comments(0)自然芸術館

2010年01月14日

祈りの丘空想ギャラリーの企画展 静かな時

森の空想コレクションによる
「静かな時」
2010年1月5日-3月31日

茶臼原の森の一角に旧・教会を改装した「祈りの丘空想ギャラリー」があり、四季を通じて絵画・写真などを中心とした企画展を行っています。以下は春の企画展の御案内です。


               


森に静かな時間が流れています。新しい年を迎えての展示替えもまた楽しみなものです。
倉庫の中や廊下の片隅、天井裏、収納箱の中などから、あれこれと取り出して眺め、壁面に立てかけたり、また並べ替えたりしながら、空間を構成してゆきます。
壁面が埋め尽くされるころ、ギャラリーの空間に作品たちが醸し出す「時間」が現出します。
それは、それぞれの作品が持つ性格やエネルギー、作者の作品に込めた情熱などが、立ち上がり、漂い流れて、空間内に充満するからなのでしょう。
それを観る「私」も、作品との出会いの場面や作家との交流・交友の記憶などがよみがえり、
気持ちが静まったり、波立ったりしながら、「その日・その時」の心情を映し出し、作品と交感しているのです。
また、作者とも集めた人間とも無関係な人も一枚の絵の前に立つと、それぞれに感動や衝動を得る。「絵を観る」という行為は、なんと不可解で不思議な行為なのでしょう。
今季は、静かに流れる早春の「時」の中で、一枚一枚の絵に対する感想や絵の来歴などを語れれば、と思っています。
現在、谷川晃一「人間になった犬」(アクリル)、宮迫千鶴「日曜日の午後」(パステル)、木内克「横たわる裸婦」(鉛筆。淡彩)、四谷十三男「抱擁」(ペン)、瑛九「森へ」(エッチング)、料治幸子「ダンス」(コンテ)などを展示しています。
これらの作品は、当ギャラリーの企画・運営を担当している高見が「旧・由布院空想の森美術館」(大分県由布市湯布院町1986-2001)を運営していたころに集めたものと、この「祈りの丘空想ギャラリー」開設後に企画展や滞在制作を行って下さった作家からご寄贈いただいた作品です。
会期中、展示替えも行います。お気軽にお立ち寄り下さい。

                    


Posted by 友愛社 at 09:55Comments(0)自然芸術館

2010年01月13日

さむくても、みなさんやってます。

お久しぶり、なりさんです。

今日は朝から大寒波襲来大泣き
寒~い!

農場は特に大変!男性陣を中心に本当によくやってくださいます。

本日の農場の作業内容

AM10:00朝礼
キャベツ、サニーレタス播種
肥料蒔き
休憩・昼食
PM1:00から
野菜収穫
洗い、出荷準備
イカンテ袋づめ
出荷準備
PM3:40掃除、片づけ
終礼

これを寒風吹きすさぶ屋外で全部やるわけです。
しかも、黙々と。

なりさんそんな皆さんのひたむきな姿に
本当に頭が下がります。
そんな努力の末にできた美味しいお野菜
明日、宮崎市平和台「ひむか村の宝箱」の店頭に並びます。
ぜひお越しください。
お待ちしています。  


Posted by 友愛社 at 19:10Comments(1)なりさん

2010年01月08日

鹿肉シチュー変じて極上のカレーとなる

[がんじいのジビエ手帖8 鹿肉シチュー変じて極上のカレーとなる]
               
 暮れに作った鹿肉シチューは、東京方面から宮崎の神楽を見るためにやってきた一行にふるまった。がんじいの取材に同行を希望し、集まった人たちである。神楽の里でも、工夫を凝らした料理が出て、その心のこもったもてなしに、皆、感激するのであるが、まずは山入りの前の一夜を山里らしい料理で出迎えておこうという趣向である。手焼きのパンや年月をかけて仕込んだ「花酒」などを添えた食卓は、神楽のレクチャーと合わせて賑やかなものとなった。
 神楽から帰った晩は、十時間以上を眠り続ける。その間、眠りの中で神楽の音楽が鳴り続け、古代の神々や、宮崎の森の奥深くに座す「鬼」や「荒神」あるいは妖艶な「女面の神」などが現れては消える幻想世界の中を漂い続ける。この余韻もまた神楽の魅力の一つなのである。
 夜が明けると、翌日の昼ごろ目覚めると、シチューがまだたっぷりと残っておる。がんじいは、ここでたちまち元気を回復し、このシチューを極上のカレーへと変異させる作業を開始する。といっても、特別に変わった料理法を駆使するわけではない。新たに、ジャガイモと人参、玉葱を煮込み、それを残り物のカレーに混ぜ、あとはただのカレー粉を入れるだけ。カレー粉は、各自好みのものがあればそれにこしたことはないが、市販のカレールーでもよろしい。極上の鹿肉カレーの出来上がり。    


Posted by 友愛社 at 09:24Comments(0)がんじい

2010年01月07日

大根干し「イカンテ」の話

                         
 寒風が霧島連山や米良山脈から吹き降ろしてくるころ、宮崎の平野部で大根干しをする風景が見られます。棚に組んだ竹に大量の大根を吊るし掛けして乾燥する田野の大根掛けが有名ですが、各地の切干大根もこの季節ならではの風物詩です。
 茶臼原自然芸術館でも、「じゅうじ農園」で昨年から育ててきた大根を収穫し、薄く切って、さらに両端を神楽の御幣のような形に切り分けて、干す方法で大根干しを行っています。これを「イカンテ」と呼びます。その形状が、ちょうど港で水揚げされ、干されている烏賊の手によく似ているからです。薄くて白い大根に西日が当たり、透けて見える部分が輝いています。これが夜のうちに凍り、また朝日が当たると浸みが解けて軟らかく光る。これを繰り返して、美味しい大根干しが出来上がるのです。
 これをお湯でもどし、煮付けや酢の物などにしていただきます。イカンテは杉の木立や庭先の木の枝などに干されていたりする、自家用の保存食です。

  


Posted by 友愛社 at 14:06Comments(0)自然芸術館