2012年10月11日
みなさん、今週末のご予定は?
こんばんは、お久しぶりです。
またまた告知でございます。
今週末、10/13(土)高鍋町 「四季彩のむら」にて
「四季彩のむら アートフェスティバル」が行われます。
茶臼原自然芸術館も、販売・藍染めワークショップで参加させていただきます。
四季彩のむらはこんな場所です。



すごくきれいな棚田と小川、鎮守の森にはいまにもトトロのいびきが
聞こえてきそうな場所が、高鍋市街からほど近い場所にあります。

例えるなら、はっぴいえんどの歌う「夏なんです」の情景です。
え?分かりずらい? ならばこれをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=4fiYrsYYT2c
いい感じでしょう。
イベントの詳細はここをクリックして下さい。

http://www.kankou-takanabe.com/blog/?p=6398
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=48701
当日、おまちしておりま~す。
あっと!それとこの秋、茶臼原自然芸術館は県内あちこちに出没します。
予定はこちら
http://service.kijo.jp/~yuuaisya-shizengeijyutukann/
詳しい内容はまたUPしま~す。
それでは、またお会いしましょう!
またまた告知でございます。

今週末、10/13(土)高鍋町 「四季彩のむら」にて
「四季彩のむら アートフェスティバル」が行われます。
茶臼原自然芸術館も、販売・藍染めワークショップで参加させていただきます。
四季彩のむらはこんな場所です。
すごくきれいな棚田と小川、鎮守の森にはいまにもトトロのいびきが
聞こえてきそうな場所が、高鍋市街からほど近い場所にあります。
例えるなら、はっぴいえんどの歌う「夏なんです」の情景です。
え?分かりずらい? ならばこれをご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=4fiYrsYYT2c
いい感じでしょう。
イベントの詳細はここをクリックして下さい。

http://www.kankou-takanabe.com/blog/?p=6398
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/index.php?itemid=48701
当日、おまちしておりま~す。

あっと!それとこの秋、茶臼原自然芸術館は県内あちこちに出没します。
予定はこちら
http://service.kijo.jp/~yuuaisya-shizengeijyutukann/
詳しい内容はまたUPしま~す。
それでは、またお会いしましょう!
2012年09月11日
「ホウの葉染めワークショップ」のお知らせです。
残暑厳しい毎日
暑いですね。
みなさんお体には十分注意してください。
またまた告知です。

「ホウの葉染めワークショップ」のお知らせです。
今回のワークショップは、ホウの葉で行います。ホウの葉は大変香りがよく、薬草や食材としても
古来から使用されてきたものです。採集から染色まで、友愛社の山で楽しい時間をお過ごしください。
開催日時:平成24年9月21日(金)、22日(土) 午前10:30時~午後14:00時
集合場所:茶臼原自然芸術館 ワークショップ会場:森の空想ミュージアム前広場
主催:社会福祉法人 石井記念友愛社 茶臼原自然芸術館
参加費:大人1名 ¥2000‐ [(小学6年生までは無料)]
募集定員:各日15名づつ
☆連絡先
*住所:児湯郡木城町椎木603‐1 tel:0983-32-4607 Fax:0983-32-4615
e-mail:yuuaisya-shizengeijyutukann@kijo.jp 担当者:江原、横田
参加希望の方は、参加希望日、住所、氏名、年齢、TEL番号を記入の上、上記連絡先に
ご連絡ください。(FAX、Eメールでも随時受け付けております。)
募集締め切り日 平成24年9月18日 17:00まで
奮ってご参加下さいませ
お問い合わせも随時受け付けております。
電話対応は、平日の9:00~17:00までです。FAX、Eメールは随時受け付けております。

待ってま~す。

暑いですね。
みなさんお体には十分注意してください。
またまた告知です。

「ホウの葉染めワークショップ」のお知らせです。
今回のワークショップは、ホウの葉で行います。ホウの葉は大変香りがよく、薬草や食材としても
古来から使用されてきたものです。採集から染色まで、友愛社の山で楽しい時間をお過ごしください。
開催日時:平成24年9月21日(金)、22日(土) 午前10:30時~午後14:00時
集合場所:茶臼原自然芸術館 ワークショップ会場:森の空想ミュージアム前広場
主催:社会福祉法人 石井記念友愛社 茶臼原自然芸術館
参加費:大人1名 ¥2000‐ [(小学6年生までは無料)]
募集定員:各日15名づつ
☆連絡先
*住所:児湯郡木城町椎木603‐1 tel:0983-32-4607 Fax:0983-32-4615
e-mail:yuuaisya-shizengeijyutukann@kijo.jp 担当者:江原、横田
参加希望の方は、参加希望日、住所、氏名、年齢、TEL番号を記入の上、上記連絡先に
ご連絡ください。(FAX、Eメールでも随時受け付けております。)
募集締め切り日 平成24年9月18日 17:00まで
奮ってご参加下さいませ

お問い合わせも随時受け付けております。
電話対応は、平日の9:00~17:00までです。FAX、Eメールは随時受け付けております。

待ってま~す。
2012年08月01日
ところで、藍って見た事ありますか?
みなさん、藍ってみたことあります?
こんな感じです。

春の遅霜が終わった頃、畑に撒いた藍は、
3ヶ月ほどで、高さ30~40㎝ほどになります。
この藍はたで藍と言われる種類です。

今回のワークショップはまだまだ、定員に空きはありますよ。
夏の思い出にいかがですか?
お待ちしています。
こんな感じです。
春の遅霜が終わった頃、畑に撒いた藍は、
3ヶ月ほどで、高さ30~40㎝ほどになります。
この藍はたで藍と言われる種類です。
今回のワークショップはまだまだ、定員に空きはありますよ。
夏の思い出にいかがですか?
お待ちしています。

2012年07月31日
今度は藍染めワークショップやりますよ~!
皆さん、こんにちはお久しぶりです。
いつも、告知ばかりですいません
今度は藍染め(生葉染め)のワークショップ行います。
茶臼原自然芸術館「森の草木染めワークショップ」のご案内
「藍の生葉染めワークショップ」 参加定員 各日15名ずつ
開催日時 平成24年8月10日(金)、11日(土)
時間 午前10時30分~午後2時
場所 茶臼原自然芸術館(児湯郡木城町大字椎木603-1)
参加費 大人 2,000円 小学6年生以下 無料

今、芸術館の裏の畑には、長梅雨、炎天下にも頑張って育ってくれた藍が沢山実っています。
今回のワークショップは、この生葉を使って藍染めします。
めったにないこの機会、ぜひご家族で、お友達で参加してみてください。
参加してみたいな~と思われた皆さん!
連絡先 TEL 0983-32-4607 FAX 0983-32-4615 MAIL yuuaisya-shizengeijyutukann@kijo.jp
までどうぞお問い合わせください。
申し込み締め切りは、8月6日(月)17:00まで
担当はなりさんこと、江原です。よろしくお願いします!
みなさんの参加待ってま~す。
いつも、告知ばかりですいません

今度は藍染め(生葉染め)のワークショップ行います。
茶臼原自然芸術館「森の草木染めワークショップ」のご案内
「藍の生葉染めワークショップ」 参加定員 各日15名ずつ
開催日時 平成24年8月10日(金)、11日(土)
時間 午前10時30分~午後2時
場所 茶臼原自然芸術館(児湯郡木城町大字椎木603-1)
参加費 大人 2,000円 小学6年生以下 無料

今、芸術館の裏の畑には、長梅雨、炎天下にも頑張って育ってくれた藍が沢山実っています。
今回のワークショップは、この生葉を使って藍染めします。
めったにないこの機会、ぜひご家族で、お友達で参加してみてください。
参加してみたいな~と思われた皆さん!
連絡先 TEL 0983-32-4607 FAX 0983-32-4615 MAIL yuuaisya-shizengeijyutukann@kijo.jp
までどうぞお問い合わせください。
申し込み締め切りは、8月6日(月)17:00まで
担当はなりさんこと、江原です。よろしくお願いします!
みなさんの参加待ってま~す。
2012年06月16日
ワークシップ「自然布を織る」苧麻編 参加者募集です。
昨晩の雨、激しかったですね。
皆さんのお住まいの地域は大丈夫でしたか?
梅雨明けまでまだまだです。気を付けていきましょう。
さて、今月末には明けてほしい梅雨ですが、この時期
芸術館では、苧麻の採集の時期となります。
苧麻(チョマ)はイラクサ科の植物で、皆さんの身近にあるものです。
苧麻の葉は染料として、くきにある繊維は機織りの材料として使用できます。
今回、その苧麻の繊維を使って、機織りを行うワークショップを開催いたします。
日程:
≪第1回目≫
h24年6/30(土)
[午前10時~午後15時]
≪第2回目≫
h24年7月6日(金)、7日(土)
[午前10時~午後15時]
場所:児湯郡木城町大字椎木603‐1
茶臼原自然芸術館
主催:社会福祉法人 石井記念友愛社 茶臼原自然芸術館
ワークショップ内容:≪第1回目≫ 苧麻の採集、加工(苧引き、糸績み、縒り掛け)
≪第2回目≫ 苧麻・麻糸の織り、ランチョンマット作成(20cm×20cmほど)
(*第2回目は7/6(金)、7/7(土)のいずれかの日を選択していただきます。)
*定員:5名(第1回、第2回両方に参加可能な方に限らせていただきます。)☆先着順です。
*受講料:10,000円(保険料、材料費、講師料含)
*申込方法:下記問い合わせ先にFAXまたはE-メールで[参加者氏名、年齢、住所、電話No,]を
お送りください。
*申込締め切り:h24年6/26(火) 17:00まで
*問い合わせ先:社会福祉法人 石井記念友愛社 茶臼原自然芸術館 (障害福祉サービス事業所)
TEL;0983-32-4607 FAX;0983-32-4615
E-メールアドレス;yuuaisya-shizengeijyutukann@kijo.jp 担当者:江原、横田
皆さんのお住まいの地域は大丈夫でしたか?
梅雨明けまでまだまだです。気を付けていきましょう。
さて、今月末には明けてほしい梅雨ですが、この時期
芸術館では、苧麻の採集の時期となります。
苧麻(チョマ)はイラクサ科の植物で、皆さんの身近にあるものです。
苧麻の葉は染料として、くきにある繊維は機織りの材料として使用できます。
今回、その苧麻の繊維を使って、機織りを行うワークショップを開催いたします。
日程:
≪第1回目≫
h24年6/30(土)
[午前10時~午後15時]
≪第2回目≫
h24年7月6日(金)、7日(土)
[午前10時~午後15時]
場所:児湯郡木城町大字椎木603‐1
茶臼原自然芸術館
主催:社会福祉法人 石井記念友愛社 茶臼原自然芸術館
ワークショップ内容:≪第1回目≫ 苧麻の採集、加工(苧引き、糸績み、縒り掛け)
≪第2回目≫ 苧麻・麻糸の織り、ランチョンマット作成(20cm×20cmほど)
(*第2回目は7/6(金)、7/7(土)のいずれかの日を選択していただきます。)
*定員:5名(第1回、第2回両方に参加可能な方に限らせていただきます。)☆先着順です。
*受講料:10,000円(保険料、材料費、講師料含)
*申込方法:下記問い合わせ先にFAXまたはE-メールで[参加者氏名、年齢、住所、電話No,]を
お送りください。
*申込締め切り:h24年6/26(火) 17:00まで
*問い合わせ先:社会福祉法人 石井記念友愛社 茶臼原自然芸術館 (障害福祉サービス事業所)
TEL;0983-32-4607 FAX;0983-32-4615
E-メールアドレス;yuuaisya-shizengeijyutukann@kijo.jp 担当者:江原、横田
2012年04月25日
木もれび クラフト市に出店します。

きたる4月25日(土)10:00~16:00
高鍋町舞鶴公園内にて開催されます。
「木もれびクラフト市~笑顔咲く春~」に茶臼原自然芸術館も
出店します。
今回のクラフト市は
クラフトコーナー25店舗
フードコーナー 12店舗
ヒーリングコーナー5店舗
出店いたします。

いずれも選りすぐりの作家さん、お店ばかり
クラフト好きのみならず、良いものに出会いたい方はぜひおこしください。
当日は草木染めのデモンストレーションも行います。
皆さんお待ちしておりまーす。

2012年03月02日
森の草木染め 山桜で染める

会場 祈りの丘空想ギャラリー
西都市穂北5248( 石井記念友愛社敷地内)
主催 茶臼原自然芸術館( 担当・高見)
お申し込み 0983-32-4607 平日10:30~15:00
森の草木染め
ワークショップ 山桜で染める
2012 年3 月23 日( 金曜) 24 日( 土曜)25 日( 日曜)

開館時間 午前10 時~午後5 時
山桜染めのワークショップは毎日午後1 時~ 5 時まで
草木染参加費 2000 円( 材料費別)
石井記念友愛社/ 茶臼原自然芸術館が開館した2009 年4 月
山桜の花が友愛社の広大な森で開花を待っていました。
障がいを持つ通所者の皆さんと協働して作り上げてゆく施設の序幕を飾る
仕事のひとつとして、この開花前の山桜の枝を採集し、
絹の布を染め、ストールとして仕上げる仕事を選びました。
桜は、花が開く直前のわずかな期間だけ、染料として利用できます。
古代、日向神話を彩った木花咲邪媛は、春を寿ぐ花の精といわれますが、
山桜こそ、その花にふさわしい。山の神からいただいた桜の枝と蕾は、
さわやかな桜色をまとった薄布を生んでくれるのです。
会場の周辺に四年前に植栽された山桜があり、
倒れたものを起こしたり、枝を整えたりする作業が必要になっています。
このときに切る枝をいただき、染めます。


・会期中、茶臼原自然芸術館の作品を展示、販売します。
一年に一度の謝恩価格で販売する作品もあります。
・茶臼原自然芸術館の指導員、ボランティアの皆さんなどの
賛助出品もあります。
・染めの素材( 絹のストール・マフラーなど1500 ~ 5000 円程度)
は実費で販売します。
・中学生以下の子供さんは参加費無料
( 定員20 人。要予約。絹のコースター一枚をプレゼント)


2012年03月02日
綾 雛山祭りに出展します。
雨がふって、あがるごとに春らしくなってゆきます。

明日(3月3日)は綾町の春の風物詩「雛山祭り」に茶臼原自然芸術館も出展します。
綾の「ひな山」は江戸時代に始まったといわれ、北麓の梅薮地区が発祥の地とされています。
女の子が生まれると、親戚や近所の人が、拾ってきた木や石で奥座敷を飾り、
「山の神」を再現したのが「ひな山」の始まりと伝えられています。
現在の祭りは、平成13年から、町の活性化を目指した商工会女性部が始めたものです。
商店街のほか、綾川荘、綾サイクリングターミナルなど町内各地に展示されます。
茶臼原自然芸術館の作品は、イベント会場「南麓公民館」の消防小屋前
「歩一歩の店」のコーナーに並びます。
お出かけ下さい。

明日(3月3日)は綾町の春の風物詩「雛山祭り」に茶臼原自然芸術館も出展します。
綾の「ひな山」は江戸時代に始まったといわれ、北麓の梅薮地区が発祥の地とされています。
女の子が生まれると、親戚や近所の人が、拾ってきた木や石で奥座敷を飾り、
「山の神」を再現したのが「ひな山」の始まりと伝えられています。
現在の祭りは、平成13年から、町の活性化を目指した商工会女性部が始めたものです。
商店街のほか、綾川荘、綾サイクリングターミナルなど町内各地に展示されます。
茶臼原自然芸術館の作品は、イベント会場「南麓公民館」の消防小屋前
「歩一歩の店」のコーナーに並びます。
お出かけ下さい。

2012年01月31日
自然布「楮布(こうぞふ)」を織る
茶臼原自然芸術館の冬の恒例の事業「自然布の織り」を今年も行います。


山野に自生する「楮(コウゾ)を採集し、繊維を採り、糸にして、
古代の布「楮布」を織り上げます。
楮の繊維で織られた布は、古来、「木綿(ユフ)」「太布(タフ)」などと呼ばれ、
衣類や神が降臨する御幣などに用いられました。
茶臼原の台地に点在する楮の群生地で採集し、茶臼原自然芸術館の広場に作った
かまどで、蒸す工程から繊維の採集、織りまでを連続して行います。
楮を採集することは、原材料を自然からいただき、古来の技法を復元しながら
自生地を保護・整備し、素材としての楮を育て、
ゆたかな里山の森を回復させてゆく作業でもあります。


当日、ボランティアでの参加、見学などをお待ちしています。
□ 期間 2012年2月6日~10日
□ 工程 この3日間で楮の採集から蒸し、繊維の取り出しまでを行います。
*楮の繊維を使っての「織り」は別の日程で行います。
□楮による自然布の素材採集から織りまでの全工程を
茶臼原自然芸術館の障害をお持ちの通所者の皆さんと共同で行います。


ドラム缶を利用した簡易な方法ですが、立派な繊維が採れます。
*写真は1011年までの記録から
参加ご希望の方は
茶臼原自然芸術館TEL0983-32-4607
担当/横田・江原までお申込み下さい。


山野に自生する「楮(コウゾ)を採集し、繊維を採り、糸にして、
古代の布「楮布」を織り上げます。
楮の繊維で織られた布は、古来、「木綿(ユフ)」「太布(タフ)」などと呼ばれ、
衣類や神が降臨する御幣などに用いられました。
茶臼原の台地に点在する楮の群生地で採集し、茶臼原自然芸術館の広場に作った
かまどで、蒸す工程から繊維の採集、織りまでを連続して行います。
楮を採集することは、原材料を自然からいただき、古来の技法を復元しながら
自生地を保護・整備し、素材としての楮を育て、
ゆたかな里山の森を回復させてゆく作業でもあります。


当日、ボランティアでの参加、見学などをお待ちしています。
□ 期間 2012年2月6日~10日
□ 工程 この3日間で楮の採集から蒸し、繊維の取り出しまでを行います。
*楮の繊維を使っての「織り」は別の日程で行います。
□楮による自然布の素材採集から織りまでの全工程を
茶臼原自然芸術館の障害をお持ちの通所者の皆さんと共同で行います。

ドラム缶を利用した簡易な方法ですが、立派な繊維が採れます。
*写真は1011年までの記録から
参加ご希望の方は
茶臼原自然芸術館TEL0983-32-4607
担当/横田・江原までお申込み下さい。
2012年01月24日
ドングリ(樫の実)で「銀紫」が染まった
樫の実で「銀紫」が染まった

米良の山奥で、大量の樫の実を見つけたので、拾った。ドングリ類は、猪や狸、野鼠など、山の動物たちの貴重な食物だが、この冬は豊作だったのだろう。彼らの食べ残しが、落ち葉とともに森の片隅に転がっていたのである。
「ドングリ」とは、檪(クヌギ)、小楢(コナラ)、樫(カシ)、椎(シイ)などのブナ科の植物の実(堅果類)の総称である。古名は橡(ツルバミ)というから、橡の実(トチノミ)も含むのだろう。橡の実は、北国では美味しい橡餅になり、宮崎県椎葉村などの九州脊梁山地の村では樫の実をつぶし、水でさらしてあく抜きをしてコンニャクを作る。樫の実コンニャクは山里の珍味として賞味される。椎の実は生で食べられる。その小さな黒い実を、奥歯でかちりと噛み割って、白いデンプン質の実を取り出して食べる。ほのかな甘みが合って、山の子どもたちの冬のおやつとして貴重であった。
楢、小楢、橡などは落葉するが、樫、椎などは落葉せず、照葉樹の森を形成する。古代、ドングリ類で染めた茶系の色は橡色(つるばみいろ)と呼ばれ、重用された。
□ドングリの実を付ける樹木には次の様な種類がある。
・檪(クヌギ) ブナ科コナラ属の落葉高木。ドングリ類では最も大きい実を付ける。カブトムシやクワガタ虫の集まる木、シイタケの原木、武蔵野など、里山の風景を構成樹木などとして最も親しまれている木である。
・小楢(コナラ)檪の葉をやや小さくした感じの樹木。欅、山桜などともに落葉広葉樹林を形成する。晩秋に赤味がった黄色に黄葉する。古名は「柞(ははそ)」。実は小さく、先がとがっている。
・槲(カシワ) 柏とも書く。檪に似るが葉が広く大きい。葉を食物を包んだり柏餅に用いる。鉄媒染で黒茶が染まるという。
・白樫(シラカシ) 照葉樹林を代表する樹木。堅く、鉈の柄等に用いられる他、上質の炭の原料となる。平安時代には「黒袍」を染めたと枕草子に記されている。樹皮のアルカリ媒染で茶色、鉄媒染で黒が染まる。葉でも銀鼠色などが染まる。実は堅くて小さい。
・粗樫(アラカシ) 白樫と同種だが葉がやや大きい。茶系の色が染まる。
・水楢(ミズナラ) 檪に似るがやや大型。九州には少ない。

□樫の実の染色
ドングリ類の染色は、灰汁媒染による黄橡、鉄媒染による青み掛かった黒、アルミ媒染でベージュ、鉄媒染で薄鼠色などが染まる。今回は白樫だけの実で染めた。
工程
□採集してきたドングリ(樫の実)を陽に干し、煮出す。茶色がかった染液が得られた。
□5回以上煮出しても色が出る。実が煮えて砕け、煎液が濁る場合があるが布で濾して使える。
□鉄媒染で思いがけない色が出た。紫がかった銀色である。上記のように、古来より、ドングリ類では茶系とグレイ系の色が染められている。グレイ系(灰色)には銀鼠、利休鼠、青鈍(あおにび)、梅鼠、紫鼠、空五倍子色(うつぶしいろ)、素鼠、灰汁色、灰色等々さまざまな呼び名がある。今回、染め上がった布は、銀鼠または梅鼠に近い色と思われるが、かすかに紫色がかっており、絹布の光沢と重なって、古来の色名にもない「銀紫」と呼びたい風合いとなったのである。自然の神秘であり、染色の醍醐味といえる瞬間であった。
*染色工程の画像は後日挿入します。

米良の山奥で、大量の樫の実を見つけたので、拾った。ドングリ類は、猪や狸、野鼠など、山の動物たちの貴重な食物だが、この冬は豊作だったのだろう。彼らの食べ残しが、落ち葉とともに森の片隅に転がっていたのである。
「ドングリ」とは、檪(クヌギ)、小楢(コナラ)、樫(カシ)、椎(シイ)などのブナ科の植物の実(堅果類)の総称である。古名は橡(ツルバミ)というから、橡の実(トチノミ)も含むのだろう。橡の実は、北国では美味しい橡餅になり、宮崎県椎葉村などの九州脊梁山地の村では樫の実をつぶし、水でさらしてあく抜きをしてコンニャクを作る。樫の実コンニャクは山里の珍味として賞味される。椎の実は生で食べられる。その小さな黒い実を、奥歯でかちりと噛み割って、白いデンプン質の実を取り出して食べる。ほのかな甘みが合って、山の子どもたちの冬のおやつとして貴重であった。
楢、小楢、橡などは落葉するが、樫、椎などは落葉せず、照葉樹の森を形成する。古代、ドングリ類で染めた茶系の色は橡色(つるばみいろ)と呼ばれ、重用された。
□ドングリの実を付ける樹木には次の様な種類がある。
・檪(クヌギ) ブナ科コナラ属の落葉高木。ドングリ類では最も大きい実を付ける。カブトムシやクワガタ虫の集まる木、シイタケの原木、武蔵野など、里山の風景を構成樹木などとして最も親しまれている木である。
・小楢(コナラ)檪の葉をやや小さくした感じの樹木。欅、山桜などともに落葉広葉樹林を形成する。晩秋に赤味がった黄色に黄葉する。古名は「柞(ははそ)」。実は小さく、先がとがっている。
・槲(カシワ) 柏とも書く。檪に似るが葉が広く大きい。葉を食物を包んだり柏餅に用いる。鉄媒染で黒茶が染まるという。
・白樫(シラカシ) 照葉樹林を代表する樹木。堅く、鉈の柄等に用いられる他、上質の炭の原料となる。平安時代には「黒袍」を染めたと枕草子に記されている。樹皮のアルカリ媒染で茶色、鉄媒染で黒が染まる。葉でも銀鼠色などが染まる。実は堅くて小さい。
・粗樫(アラカシ) 白樫と同種だが葉がやや大きい。茶系の色が染まる。
・水楢(ミズナラ) 檪に似るがやや大型。九州には少ない。

□樫の実の染色
ドングリ類の染色は、灰汁媒染による黄橡、鉄媒染による青み掛かった黒、アルミ媒染でベージュ、鉄媒染で薄鼠色などが染まる。今回は白樫だけの実で染めた。
工程
□採集してきたドングリ(樫の実)を陽に干し、煮出す。茶色がかった染液が得られた。
□5回以上煮出しても色が出る。実が煮えて砕け、煎液が濁る場合があるが布で濾して使える。
□鉄媒染で思いがけない色が出た。紫がかった銀色である。上記のように、古来より、ドングリ類では茶系とグレイ系の色が染められている。グレイ系(灰色)には銀鼠、利休鼠、青鈍(あおにび)、梅鼠、紫鼠、空五倍子色(うつぶしいろ)、素鼠、灰汁色、灰色等々さまざまな呼び名がある。今回、染め上がった布は、銀鼠または梅鼠に近い色と思われるが、かすかに紫色がかっており、絹布の光沢と重なって、古来の色名にもない「銀紫」と呼びたい風合いとなったのである。自然の神秘であり、染色の醍醐味といえる瞬間であった。
*染色工程の画像は後日挿入します。

2012年01月24日
がんじい「トロントロン軽トラ市」で考えた


トロントロン軽トラ市の魅力は、軽トラックの荷台に朝どれの農産物や魚介類、地元の手づくり作家の作品などが並べられ、販売されていることと、そこに集まる多くの人々の陽気で活気に満ちた表情である。そして、迫力満点の売り場のおばちゃんたち、それを手伝う健気で元気な少年、ほほえましく愛らしい家族連れの姿なども好ましく、見ていて飽きることがない。




軽トラ市を歩いていて、がんじいは高知市の名物「日曜市」と伊賀上野の「上野天神祭」のことを思い出したものだ。高知の日曜市に行ったのは、今から30年近く前のことだが、がんじいはその頃、湯布院町(現・由布市湯布院町)の旧道「湯の坪街道」沿いの空家を借りて古い道具類を商う小さな店を出していた。まだ湯布院の町が有名になる前のことだったから、人通りも少なく、一週間も雨の日が続くと、通りの商店主などは表に出てきて、空を見上げ、「客が来んなあ・・・」とため息をつくような時代であった。古伊万里の食器類や古布、古箪笥などを並べた店も、当時はそのような品はまだ買い手も少なく暇だったから、営業と買出し(田舎廻りの発掘作業)と取材を兼ねた旅に出かけていた。ふとした縁で、高知の日曜市を取り仕切るという「香具師(やし)」の親分と知り合いになり、その家を訪ね、ついでに親分の露天の隣で店開きをさせてもらったのである。
高知市の「日曜市」は、高知城のすぐ下、追手門から東に伸びる市街へかけて約1.3kmにわたり、毎週日曜日に開かれており、300年の歴史を有するという。戦国末期に織田信長が開いた「楽市楽座」の流れを汲む最も古い市場のひとつであろう。このような市場を取り仕切るのは、昔から、香具師のネットワークであった。伊賀上野(現・伊賀市)の豪族・服部氏が行なった「黒党祭り」やその影響下にあると思われる「伊賀上野天神祭・鬼行列」などをみれば、「忍者」にまでその組織網が広がっていたとみることができるであろう(伊賀上野の天神祭と伊賀忍者の頭領・服部氏、香具師の関係などは、「森の空想ミュージアム」のホームページ「忍者と仮面」の項に詳述)。
現在行なわれている各地の市場などは自治体や市民団体、有志の実行委員会などの運営によるものが多く、どれもが香具師や忍者の影響下にあるわけではないが、年季を経たネットワークは露天商の出る市場などにはいまだに一定の影響力は有していると考えられる。がんじいが飛び入りで高知の日曜市に出店できたのも、それに類する経緯を経たものであった。
その日、市場は盛大な賑わいをみせていたが、器や古布、現代クラフトやガラスなどを並べたがんじいの店では、何も売れなかった。それに引き換え、親分の店には、次々に客が訪れ、番台一枚に積み上げられた品は堅実な売れ行きを見せていた。その品物というのは、なんと、「ハブの黒焼き」と称する粉末であった。そして、それを買ってゆくのは、いわゆる熟女と呼ばれる年代の女性たちで、それは、ご亭主または恋人との間で用いられる秘薬のようであった。がんじいは不思議でたまらず、ついに親分に「それは本当に効くのですか?」と無遠慮な質問をぶつけてみた。すると親分は、「ふふん」と鼻で笑い、否定も肯定もしない玄妙な態度を示しただけであった。
売れない荷を前に、一日香具師の親分の商いを見ていて学んだことがある。それは、さりげなく客に身体を寄せて行く間合いとか、世間話をしていて、何気なく「○○ちゃんによろしくな」と知り合いらしいその女性の相方の名を囁いたり、若い奥さん風の女性の横で「今夜は夢の中だな」と呟いたりする呼吸などであった。閉店時間が迫った頃、にわか雨がきた。がんじいもそれをきっかけに、親分の呼吸を真似て半額処分で荷をさばき、旅費程度の売り上げはなんとか稼いで、高知の城下を後にしたのである。

話が大いにそれたが、この川南町「トロントロン軽トラ市」は、最初に述べたように町の商工会などが主催する現代のバザールであり、相次いだ災害や商店街衰退、過疎などに悩む地域の再生への手がかりとなるべき要素を秘めた催事である。
がんじいは、軽トラ市の賑わいの中を歩いていて、アジアのバザールや日本の古い形態の市場、現代の青空市などについて思いを馳せたのであるが、この日に限っていえば、賑わいに反して、地元の商店街と出展者の関係性が薄く、せっかくの人出が各商店の集客に反映されていないこと、路地や空き地に客が導引されていないこと、クラフトやアート関連の出展が少ないことなどに気付き、「惜しいな」という気がしたのである。今後、このような点に留意し、対応が図られれば、ますます進展が期待される企画である。高千穂や西米良でエコミュージアム計画にかかわり、先日は「九州アートネットワーク車座会議」でも刺激を受けた身として、いろいろなことを考えた一日だったが、ここでは多くを語らず、現地の取り組みと展開を楽しみに待つことにしよう。
2012年01月18日
がんじい「トロントロン軽トラ市」を歩いた
*茶臼原自然芸術館は次回1月22日のトロントロン軽トラ市に出展します。
川南町「トロントロン軽トラ市」にて


*前回の続き
軽トラックの荷台を利用した店開きがまずまずのすべり出しを見せたのを見届けて、見物に出かけた。私たち「茶臼原自然芸術館」の出展場所はゆるやかな坂道の北端に位置していたので、朝8時の開店から11時15分の閉店までの3時間余りの時間に1万人以上の客が集まるという、軽トラ市の全貌は見通せなかったのだ。午前9時。すでに数千人の人出で賑わっている通りを歩いた。
まず、目を引くのは、なんといっても食べ物である。日向灘沿岸の漁村で作られている「鯖鮨」「鯵鮨」などの「魚鮨(さかなずし)」。もともと漁村の女性たちの手で作られていたものだが、近年、「道の駅」や「港の駅」でも売り出され、人気商品となった。鯖や鯵といった定番といえる素材の他に、小鯛、鰯、太刀魚、鮗(コノシロ)などの小魚があって嬉しい。そしてそれらの魚たちは、造り手たちの工夫と技によってそれぞれ独自の味わいを出している。素材が新鮮であることはいうまでもない。モノによっては、今朝まで日向灘を泳いでいた魚かもしれない。天然の生牡蠣を焼いている店もある。日向灘沿岸の遠浅の岩場に、椎葉や米良、尾鈴山系などの山々から注ぐ真水が混じって、とびきり上質の牡蠣が育つのだ。鯵鮨、貝と海草の混ぜご飯、鰻飯などを続けざまに買った。鰻もまた、稚魚の遡上する川を持つ日向灘沿岸は養殖業も盛んで、名物のひとつに数えられるのだ。これで今日の昼飯は確保。門川漁港揚がりの太刀魚の干物と鯖の一夜干しを買って、今夜のビールのつまみに。近隣の農家から運ばれてくる質量ともに圧巻の農産物、肉料理、焼酎などはここに記すまでもないだろう。


刃物を並べているおじさんがいた。刃物といっても、台所用の包丁や鉈、鎌などの農具を売る店ではなく、使い古された鉈、斧、金槌、釘抜き、細刃のナイフ類などである。山仕事の道具や、猪解体用のナイフなども見受けられた。釣り道具も並べられていた。いわゆるアンティークショップではなく、このおじさんは、「男の遊び道具」としてこれらの刃物をコレクションし、ここでは「売る」という行為よりも「遊び仲間」と「つながる」ことを主目的としているような感じであった。
思わず「欲しい」と思った鉈があった。長さ40センチほどもある木の柄は茶褐色に古びて深い味を出し、刃との結合部分は丈夫な草の糸(おそらく山地の崖に生える「菅=スゲ」であろう)で巻かれ、補強されている。その「巻き」が一点のアート作品を見るようである。刃の部分は長い年月をかけて使い込まれ、研がれて磨耗し、刃が内側に湾曲しているほどである。そのカーブもまた美しく、鋭利な刃を収めるための木製の鞘も心憎い。

幸か不幸か、私はこの日、財布を持っていなかった。当節、明確な目的もなしに刃物を買い込んだり集めたりしているとあらぬ疑いをかけられる恐れがある。物騒な、信じられないような通り魔事件などが頻発しているではないか。そのこととは無関係だが、(今日は「売る日」であって「買う日」ではない)と、私は固く自分を戒めて、あえて財布を置き、ホケットに小銭だけを突っ込んで出かけてきたのであった。それで、この鉈をあきらめて引き返したが、この軽トラ市は、タイの奥地の村のバザール、釜山の国際市場や那覇の公設市場、高知の日曜市などを思い出させた。規模や年季などはまだそれらに及ばないが、軽トラックの荷台に種々の物産や商品が並ぶというユニークさは群を抜いている。今年は、東日本大震災の復興支援のモデルケースとして出展されたともいう。地域再生の大きなヒントを秘めている企画といえよう。
わが茶臼原自然芸術館のスタッフも、交代で探索に出かけたが、各々、お気に入りのスポットを見つけたと見え、市場の賑わいの中に消えたまま、しばらく帰って来ないのであった。
川南町「トロントロン軽トラ市」にて


*前回の続き
軽トラックの荷台を利用した店開きがまずまずのすべり出しを見せたのを見届けて、見物に出かけた。私たち「茶臼原自然芸術館」の出展場所はゆるやかな坂道の北端に位置していたので、朝8時の開店から11時15分の閉店までの3時間余りの時間に1万人以上の客が集まるという、軽トラ市の全貌は見通せなかったのだ。午前9時。すでに数千人の人出で賑わっている通りを歩いた。
まず、目を引くのは、なんといっても食べ物である。日向灘沿岸の漁村で作られている「鯖鮨」「鯵鮨」などの「魚鮨(さかなずし)」。もともと漁村の女性たちの手で作られていたものだが、近年、「道の駅」や「港の駅」でも売り出され、人気商品となった。鯖や鯵といった定番といえる素材の他に、小鯛、鰯、太刀魚、鮗(コノシロ)などの小魚があって嬉しい。そしてそれらの魚たちは、造り手たちの工夫と技によってそれぞれ独自の味わいを出している。素材が新鮮であることはいうまでもない。モノによっては、今朝まで日向灘を泳いでいた魚かもしれない。天然の生牡蠣を焼いている店もある。日向灘沿岸の遠浅の岩場に、椎葉や米良、尾鈴山系などの山々から注ぐ真水が混じって、とびきり上質の牡蠣が育つのだ。鯵鮨、貝と海草の混ぜご飯、鰻飯などを続けざまに買った。鰻もまた、稚魚の遡上する川を持つ日向灘沿岸は養殖業も盛んで、名物のひとつに数えられるのだ。これで今日の昼飯は確保。門川漁港揚がりの太刀魚の干物と鯖の一夜干しを買って、今夜のビールのつまみに。近隣の農家から運ばれてくる質量ともに圧巻の農産物、肉料理、焼酎などはここに記すまでもないだろう。


刃物を並べているおじさんがいた。刃物といっても、台所用の包丁や鉈、鎌などの農具を売る店ではなく、使い古された鉈、斧、金槌、釘抜き、細刃のナイフ類などである。山仕事の道具や、猪解体用のナイフなども見受けられた。釣り道具も並べられていた。いわゆるアンティークショップではなく、このおじさんは、「男の遊び道具」としてこれらの刃物をコレクションし、ここでは「売る」という行為よりも「遊び仲間」と「つながる」ことを主目的としているような感じであった。
思わず「欲しい」と思った鉈があった。長さ40センチほどもある木の柄は茶褐色に古びて深い味を出し、刃との結合部分は丈夫な草の糸(おそらく山地の崖に生える「菅=スゲ」であろう)で巻かれ、補強されている。その「巻き」が一点のアート作品を見るようである。刃の部分は長い年月をかけて使い込まれ、研がれて磨耗し、刃が内側に湾曲しているほどである。そのカーブもまた美しく、鋭利な刃を収めるための木製の鞘も心憎い。

幸か不幸か、私はこの日、財布を持っていなかった。当節、明確な目的もなしに刃物を買い込んだり集めたりしているとあらぬ疑いをかけられる恐れがある。物騒な、信じられないような通り魔事件などが頻発しているではないか。そのこととは無関係だが、(今日は「売る日」であって「買う日」ではない)と、私は固く自分を戒めて、あえて財布を置き、ホケットに小銭だけを突っ込んで出かけてきたのであった。それで、この鉈をあきらめて引き返したが、この軽トラ市は、タイの奥地の村のバザール、釜山の国際市場や那覇の公設市場、高知の日曜市などを思い出させた。規模や年季などはまだそれらに及ばないが、軽トラックの荷台に種々の物産や商品が並ぶというユニークさは群を抜いている。今年は、東日本大震災の復興支援のモデルケースとして出展されたともいう。地域再生の大きなヒントを秘めている企画といえよう。
わが茶臼原自然芸術館のスタッフも、交代で探索に出かけたが、各々、お気に入りのスポットを見つけたと見え、市場の賑わいの中に消えたまま、しばらく帰って来ないのであった。
2012年01月04日
友愛社のお正月
2012年1月
友愛社のお正月

明けましておめでとうございます。
今年の元日の朝は、あたたかな陽ざしのふりそそぐ、穏やかな正月となりました。
梅のつぼみがふくらみ、日本水仙が白い花を開いています。
午前10時頃、友愛園の食堂に、子どもたちと理事長以下友愛社の職員・指導員などが集まって、
新年会が始まります。友愛社の一年が、ここから始まるのです。
理事長の年頭あいさつの後、調理師さんとボランティアの皆さんが
心を込めて作ってくれた正月料理をいただき、
各自、去年一年の反省と年頭の決意を述べます。
どんな小さな子も、健気に立って、今年の目標を語ります。
昨年は、東日本大震災や原発の事故、自然災害、
世界的な政治・経済の激動など沢山の出来事がありましたが、
今年こそ新しい時代を切り開く年となるよう、皆、新年の誓いを述べました。
石井十次とその後に続く人たちが築いてきた百年の歴史と、
がっしりとそれを受け止める茶臼原の大地と自然に抱かれて、
しっかりと確実な歩みが進められてゆくことでしょう。
友愛社のお正月
明けましておめでとうございます。
今年の元日の朝は、あたたかな陽ざしのふりそそぐ、穏やかな正月となりました。
梅のつぼみがふくらみ、日本水仙が白い花を開いています。
午前10時頃、友愛園の食堂に、子どもたちと理事長以下友愛社の職員・指導員などが集まって、
新年会が始まります。友愛社の一年が、ここから始まるのです。
理事長の年頭あいさつの後、調理師さんとボランティアの皆さんが
心を込めて作ってくれた正月料理をいただき、
各自、去年一年の反省と年頭の決意を述べます。
どんな小さな子も、健気に立って、今年の目標を語ります。
昨年は、東日本大震災や原発の事故、自然災害、
世界的な政治・経済の激動など沢山の出来事がありましたが、
今年こそ新しい時代を切り開く年となるよう、皆、新年の誓いを述べました。
石井十次とその後に続く人たちが築いてきた百年の歴史と、
がっしりとそれを受け止める茶臼原の大地と自然に抱かれて、
しっかりと確実な歩みが進められてゆくことでしょう。
2011年12月28日
がんじい「トロントロン軽トラ市」に行く
この冬一番という寒波が襲来し、南国宮崎・茶臼原の台地を霜が真っ白に化粧した朝、早起きをして川南町「トロントロン軽トラ市」に、がんじいも初めて参加した。「石井記念友愛社・茶臼原自然芸術館」の作品を展示・販売する日なのである。
この軽妙な名称を持つ市場は、宮崎県川南町の中心商店街の中央を貫く道路を車両進入禁止区域とし、そこに農家や漁業の人たちや近隣の工芸作家、手づくり食品の造り手たちなどが、それぞれ軽トラックを持ち込んで、その荷台を屋台のごとくに利用して、様々な物産の販売を行なうという、まことに痛快な企画である。
昨日まで人っ子いなかったように思える寂れた古い町並みに、ある朝突然、軽トラックと人と物とがあふれ、アジアのバザールのような大いなる賑わいを見せる通りに変貌する。その活気あふれる現場に踏み込む前に、川南町の沿革とその名称の由来となった、「トロントロン」という地名について検証しておこう。


川南町は、宮崎県のほぼ中央部の海岸部に位置し、東は日向灘・太平洋、西は若山牧水が望郷の思いをこめて歌った尾鈴山系の山々を望む、人口約1万7,000人の町である。宮崎市から国道10号線を北へ約1時間、電車で約40分の距離にある。広大な台地状の平地が広がり、農畜産、漁業を基幹産業とする。第二次大戦後、軍用地であったこの広大な台地は解放され、全国から開拓者たちが入植、発展を遂げ、中心部には商店街も形成されて、商工業も拡大を続けてきた。しかしながら、全国的な中心商店街衰退の波はここも例外なく襲い、バブル崩壊、その後の大幅な規制緩和による中・大型店の地方への進出ラッシュ等により商工業は衰退した。農畜産業も輸入が拡大し価格が下落、農家はも多頭化による経営改善を余儀なくされ、苦戦が続いているという。

この軽トラ市が開催される川南町の中心部トロントロンという地名は、尾鈴山系を源とする名貫川と小丸川に挟まれたこの地域が、古来、小滝や伏流水の湧き出る場所が多く、その水音が辺り一帯や街道脇の並木道に反響したことから付いたとする説が有力である。町を貫く道は、中世以降、日向と豊後を結ぶ主要な街道として栄え、ゆるやかな坂道には松・杉・楠などの並木が涼しい木陰を作っていたという。このトロントロンという地名については「とろとろと上り下りするゆるやかな坂道」説など、他にもいくつかの説があるが、街道を行き交う人々の耳に響いた水音がその地名の起源だとすれば大変懐かしく、奥ゆかしい地名である。ちなみに宮崎県には穏やかな内湾の水音が優しい延岡市土々呂(ととろ)漁港があり、美郷町北郷区を貫流する五十鈴川の「轟(とどろ)の滝」の他、小さな小滝を轟滝、あるいは轟の淵などと呼ぶと呼ぶ例もあって、水音と「トトロ」「トロントロン」の関連を想起させる。

さて、このトロントロンという名の坂道で軽トラ市が始まったのは、四年前(平成18年)のことである。当初は軽トラック60台余りの参加だったが、年々話題を呼び、昨年(2010年)口蹄疫発生の折にはその中心地であったことから、半年間開催を自粛したが、その後、再開し、現在は参加軽トラック100台以上、来客は一万人を越える地域イベントとして活況を呈しているのである。


茶臼原自然芸術館が参加したのは、今年(2011年)の春から。現地のお菓子屋さんとの共同出展という形で実現した。以後、毎月第四日曜の開催日に毎回出店し、好評を得ているのである。
この日は、寒い日だったから、草木染め手織りのマフラーを主に展示した。まず軽トラ横のスペースに張られたテントの前面のマネキンの首にマフラーを巻き、テントから軽トラの荷台の上部に紐を張ってそれにシルクのマフラーを下げた。ゆるやかな風にマフラーが翻り、朝日が草木染めの色を照らし始めた時、すぐに二枚のマフラーが売れた。野天での企画の折の状況判断は、戦場における武将あるいは軍師のそれのように、機微詳細を極めたものでなければならぬ。今日の出足は好調であった。
*続きは次回。
この軽妙な名称を持つ市場は、宮崎県川南町の中心商店街の中央を貫く道路を車両進入禁止区域とし、そこに農家や漁業の人たちや近隣の工芸作家、手づくり食品の造り手たちなどが、それぞれ軽トラックを持ち込んで、その荷台を屋台のごとくに利用して、様々な物産の販売を行なうという、まことに痛快な企画である。
昨日まで人っ子いなかったように思える寂れた古い町並みに、ある朝突然、軽トラックと人と物とがあふれ、アジアのバザールのような大いなる賑わいを見せる通りに変貌する。その活気あふれる現場に踏み込む前に、川南町の沿革とその名称の由来となった、「トロントロン」という地名について検証しておこう。


川南町は、宮崎県のほぼ中央部の海岸部に位置し、東は日向灘・太平洋、西は若山牧水が望郷の思いをこめて歌った尾鈴山系の山々を望む、人口約1万7,000人の町である。宮崎市から国道10号線を北へ約1時間、電車で約40分の距離にある。広大な台地状の平地が広がり、農畜産、漁業を基幹産業とする。第二次大戦後、軍用地であったこの広大な台地は解放され、全国から開拓者たちが入植、発展を遂げ、中心部には商店街も形成されて、商工業も拡大を続けてきた。しかしながら、全国的な中心商店街衰退の波はここも例外なく襲い、バブル崩壊、その後の大幅な規制緩和による中・大型店の地方への進出ラッシュ等により商工業は衰退した。農畜産業も輸入が拡大し価格が下落、農家はも多頭化による経営改善を余儀なくされ、苦戦が続いているという。


この軽トラ市が開催される川南町の中心部トロントロンという地名は、尾鈴山系を源とする名貫川と小丸川に挟まれたこの地域が、古来、小滝や伏流水の湧き出る場所が多く、その水音が辺り一帯や街道脇の並木道に反響したことから付いたとする説が有力である。町を貫く道は、中世以降、日向と豊後を結ぶ主要な街道として栄え、ゆるやかな坂道には松・杉・楠などの並木が涼しい木陰を作っていたという。このトロントロンという地名については「とろとろと上り下りするゆるやかな坂道」説など、他にもいくつかの説があるが、街道を行き交う人々の耳に響いた水音がその地名の起源だとすれば大変懐かしく、奥ゆかしい地名である。ちなみに宮崎県には穏やかな内湾の水音が優しい延岡市土々呂(ととろ)漁港があり、美郷町北郷区を貫流する五十鈴川の「轟(とどろ)の滝」の他、小さな小滝を轟滝、あるいは轟の淵などと呼ぶと呼ぶ例もあって、水音と「トトロ」「トロントロン」の関連を想起させる。

さて、このトロントロンという名の坂道で軽トラ市が始まったのは、四年前(平成18年)のことである。当初は軽トラック60台余りの参加だったが、年々話題を呼び、昨年(2010年)口蹄疫発生の折にはその中心地であったことから、半年間開催を自粛したが、その後、再開し、現在は参加軽トラック100台以上、来客は一万人を越える地域イベントとして活況を呈しているのである。


茶臼原自然芸術館が参加したのは、今年(2011年)の春から。現地のお菓子屋さんとの共同出展という形で実現した。以後、毎月第四日曜の開催日に毎回出店し、好評を得ているのである。
この日は、寒い日だったから、草木染め手織りのマフラーを主に展示した。まず軽トラ横のスペースに張られたテントの前面のマネキンの首にマフラーを巻き、テントから軽トラの荷台の上部に紐を張ってそれにシルクのマフラーを下げた。ゆるやかな風にマフラーが翻り、朝日が草木染めの色を照らし始めた時、すぐに二枚のマフラーが売れた。野天での企画の折の状況判断は、戦場における武将あるいは軍師のそれのように、機微詳細を極めたものでなければならぬ。今日の出足は好調であった。
*続きは次回。
2011年12月22日
友愛社の大銀杏 モーちゃんのフォト日記24
友愛社の玄関の横に大きな銀杏の木があります。
もう葉っぱは落ちてしまいましたが、
一枚だけ、クモの糸に引っ掛かって、
ゆらゆらと揺れている葉がありました。
この大銀杏は、「松本圭一銀杏」という名がつけられています。
松本圭一氏は明治19年生まれ。仙台の旧制二高在学中にキリスト教に入信。
ちょうどのそのころ、東北大飢饉が起こり、多くの孤児が石井十次の設立した
東北育児院に預けられたことを知ります。
その後、東京帝国大学農学科を卒業し、茶臼原の孤児院を訪ね、十次と面会。
十次死亡の年、茶臼原孤児院の職員となり、農場学校を開校するが、当時の
日本政府の小作農業者に対する見解に反発し、弾圧を受けたことから
茶臼原孤児院出身者などを連れてブラジルに移住し、農業指導をはじめ多くの実績を残します。
大銀杏は松本が茶臼原を去る時に植えたものです。
100年の時を刻んで、大銀杏は友愛社の庭に美しい影絵を描いているのです。
2011年12月21日
2011年12月16日
モーちゃんです おひさしぶりです 木綿の大作を織りました
木綿の縦じまの作品が織り上がりました。
古い絣織りの工房が閉じられて、糸をたくさん譲ってもらったのを
織り込んだのです。
縞の模様も美しく、手ざわりもふわりとやわらかです。
うれしくて、ひさしぶりにカメラを持って、芸術館の前の斜面で撮影をしました。
北の国では雪がふっているそうです。
南国宮崎は、いまが紅葉が散りはじめたところです。
落ち葉を明るい日差しがてらしていました。
2011年12月15日
ガマズミの染色
ガマズミの染色


古い染色の資料を見ていたら、「ズミ」という染料名が見つかった。それで、調べていたら、「ガマズミ」に遭遇した。「ズミ」と「ガマズミ」はたぶん異なる樹木だろうが、取り急ぎ、「ガマズミ」で染めてみることにした。というのは、近くの林の縁で、ガマズミの紅葉が始まっているのを通りがかりに見たばかりだったからである。
ガマズミは、初秋、小さな赤い宝石のような実を付ける。そのつややかな実を、子供の頃、山道を歩いて帰りながら、摘み取って食べた記憶がある。酸味の強いその実が、じつは疲労回復に効用があり、東北地方では、昔、マタギが用いたという伝承がある。山の子たちは、きわめて自然にそのことを知っていたのだろう。
「ガマズミ」の語源には諸説あるが、その幹または枝が固く柔軟性があることから鎌の柄や玄能の柄に用いられ、その実の酸っぱいことから「鎌柄―酸い実」が縮まったとする説が有力だろう。実際、東北地方ではこのガマズミのことを「ジョミ」「ゾミ」などと呼ぶらしいから、整合性がある。「染め―スミ」説は、一般的かつ具体的な染色の記録が見つからず、説得力を欠く。
この酸っぱい実を、ホワイトリカーに浸けこむと果実酒ができるし、ジュースにしても美味いらしい。


□採集してきたガマズミの葉を細かく千切り、水洗いして約30分煮沸。
□黄褐色の煎液が得られた。


□煎液を濾して布を浸す。10分ほどで薄い黄色に染まった。
□その状態で約15分煮沸し、媒染剤(銅)を入れた水に浸して染める。

□やわらかな色調の柿茶に染まった。少し時期遅れかもしれないと心配したが、思いがけない発色である。

古名の「薄柿」または「洒落柿」に近い色。「洒落柿」とは下染めを梅で染め、その上に石灰を水で溶いて浸けておくと、梅の上色の赤味が抜けて熟した柿の実のような色になることから名付けられたという。シルクのマフラーは、柿の実の色というより、湯上りの若い女性の肌の色を連想させた。


古い染色の資料を見ていたら、「ズミ」という染料名が見つかった。それで、調べていたら、「ガマズミ」に遭遇した。「ズミ」と「ガマズミ」はたぶん異なる樹木だろうが、取り急ぎ、「ガマズミ」で染めてみることにした。というのは、近くの林の縁で、ガマズミの紅葉が始まっているのを通りがかりに見たばかりだったからである。
ガマズミは、初秋、小さな赤い宝石のような実を付ける。そのつややかな実を、子供の頃、山道を歩いて帰りながら、摘み取って食べた記憶がある。酸味の強いその実が、じつは疲労回復に効用があり、東北地方では、昔、マタギが用いたという伝承がある。山の子たちは、きわめて自然にそのことを知っていたのだろう。
「ガマズミ」の語源には諸説あるが、その幹または枝が固く柔軟性があることから鎌の柄や玄能の柄に用いられ、その実の酸っぱいことから「鎌柄―酸い実」が縮まったとする説が有力だろう。実際、東北地方ではこのガマズミのことを「ジョミ」「ゾミ」などと呼ぶらしいから、整合性がある。「染め―スミ」説は、一般的かつ具体的な染色の記録が見つからず、説得力を欠く。
この酸っぱい実を、ホワイトリカーに浸けこむと果実酒ができるし、ジュースにしても美味いらしい。


□採集してきたガマズミの葉を細かく千切り、水洗いして約30分煮沸。
□黄褐色の煎液が得られた。


□煎液を濾して布を浸す。10分ほどで薄い黄色に染まった。
□その状態で約15分煮沸し、媒染剤(銅)を入れた水に浸して染める。

□やわらかな色調の柿茶に染まった。少し時期遅れかもしれないと心配したが、思いがけない発色である。

古名の「薄柿」または「洒落柿」に近い色。「洒落柿」とは下染めを梅で染め、その上に石灰を水で溶いて浸けておくと、梅の上色の赤味が抜けて熟した柿の実のような色になることから名付けられたという。シルクのマフラーは、柿の実の色というより、湯上りの若い女性の肌の色を連想させた。
2011年12月15日
タブノキで銀鼠色が染まった
タブノキ(﨓)の染色
森へ行く道に大きく差し出て、行く手をふさいでいたタブノキを一本、切り倒した。一本の樹幹から枝分かれしたものが、それぞれ独立して、株立ちのように枝葉を繁らせ、小さな樹林を形成しているのである。
タブノキは、楠や樫、椎などともに照葉樹林を代表する樹木で、大木になる。楠に似た微香がある。
タブノキは、八丈島では「黄八丈」の染料として使用される。椿の灰汁媒染で「鳶色」が染まるという。
八丈島では樹皮を用いるが、今回は、葉と小枝を使い、鉄媒染でシルクストール、シルクマフラー、綿麻パンツを染めた。


□まずは葉と小枝を細かく千切り、水洗いして約1時間煮沸。シナモンの香りが工房一杯に満ちた。

□暗褐色の煎液が得られた。

□布地を水洗いし、煎液に入れ、約30分煮沸。この時点では色の変化は出ない。


□媒染剤の入った水に布地を入れ、染める。約15分浸けておくと、銀鼠色に染まった。
さらに約5分、タブノキの染液に浸けて染め重ね。



・綿麻パンツは深いグレイ
・シルクストールは赤紫がかったグレイ
・シルクストールをアカソの残液で染め重ねると濃い緑灰色
・シルクマフラーをタブノキの染液一回染めで淡い緑灰色
にそれぞれ染まった。森の中ではあまり目立たない樹種だが貴重な染料である。
さて、このグレイは日本の伝統色でいう「銀鼠(ぎんねず)」に近い色調である。
掲載写真は染めあがった直後だが、秋の陽に干して乾くと、白銀のような落ち着いた
薄鼠色になったのである。
森へ行く道に大きく差し出て、行く手をふさいでいたタブノキを一本、切り倒した。一本の樹幹から枝分かれしたものが、それぞれ独立して、株立ちのように枝葉を繁らせ、小さな樹林を形成しているのである。
タブノキは、楠や樫、椎などともに照葉樹林を代表する樹木で、大木になる。楠に似た微香がある。
タブノキは、八丈島では「黄八丈」の染料として使用される。椿の灰汁媒染で「鳶色」が染まるという。
八丈島では樹皮を用いるが、今回は、葉と小枝を使い、鉄媒染でシルクストール、シルクマフラー、綿麻パンツを染めた。


□まずは葉と小枝を細かく千切り、水洗いして約1時間煮沸。シナモンの香りが工房一杯に満ちた。

□暗褐色の煎液が得られた。

□布地を水洗いし、煎液に入れ、約30分煮沸。この時点では色の変化は出ない。


□媒染剤の入った水に布地を入れ、染める。約15分浸けておくと、銀鼠色に染まった。
さらに約5分、タブノキの染液に浸けて染め重ね。



・綿麻パンツは深いグレイ
・シルクストールは赤紫がかったグレイ
・シルクストールをアカソの残液で染め重ねると濃い緑灰色
・シルクマフラーをタブノキの染液一回染めで淡い緑灰色
にそれぞれ染まった。森の中ではあまり目立たない樹種だが貴重な染料である。
さて、このグレイは日本の伝統色でいう「銀鼠(ぎんねず)」に近い色調である。
掲載写真は染めあがった直後だが、秋の陽に干して乾くと、白銀のような落ち着いた
薄鼠色になったのである。
2011年12月07日
アカソ(赤麻)の染色
ヤマメを追って、深い谷を遡上している時、渓流沿いの崖や山道の脇の岩場などに
アカソの赤い茎が目につく。アカソはその名の由来が語るように、
赤い葉茎を持つ多年草で、イラクサやヤブマオの仲間である。
夏に使い古した筆の穂先のような淡黄色の花を付ける。
この時期に刈り取り、染める。
晩夏の一日、
小丸川沿の道を遡り、木城町石河内の道沿いの崖でにアカソの群生を確認。
この日は良い具合に道路わきの空き地に群生が見つかったので、採集。
採集してきたアカソは水洗いして細かく千切り、薬30分煮沸する。
黒褐色の煎液が得られた。煎液を別の容器に取り分ける。
布地を入れて薬30分煮沸。布はこの時点では黄色っぽい茶色に。
布地を水洗いし、媒染剤(鉄)を入れた水に入れ、染める。
このまま15分ほど浸けておく。
・今回はシルクストールの鉄媒染で緑がかったグレイ
・オーガニックコットンの鉄媒染で黄味を帯びたオリーブグリーン
・シルクコースターの椿灰汁媒染で深緑
が染まった。
*古代の色名でみると、グレイは「利休鼠(りきゅうねず)」と「青鈍(あおにび)」
の中間あたりに位置する色だと確認された。青鈍は樫の樹皮または椎柴の
鉄媒染による色だが、利休鼠とは特定の染色法によるのではなく、江戸期の
商人による「粋好み」の命名であるということ。このアカソの灰色は、赤味を帯びた
紫がかっているから、独特の色ともいえる。
*アカソの染液を3時間から半日ほど置くと、酸化して絹がピンクが染まるという。
次回の楽しみである。